何年か前、フランスで「物語の自動販売機」が登場したというニュースを目にしました。
駅やカフェ、美術館などで、1分、3分、5分と、読みたい時間に合わせてボタンを押すと、レシートのような紙に短編が印刷されて出てくるのだそう。しかも、無料。
うらやましくて仕方がなかったのですが、なんとこの夏、ついに日本にも設置されるそうです!
まだどこに置かれるのかはわからないけれど、神戸にも来てほしいなぁと、ひそかに期待しています。
フランスでは何万もの物語が用意されているらしく、どの物語に出合えるかはその時の運しだい。
珈琲を飲みながら、電車を待ちながら、移動の合間に。
スマホも便利だけれど、あえて紙で読む「おみくじのような小説」との出合いが、日常にちょっとした彩りを添えてくれそうです。
ちなみに、スマホで読むなら「青空文庫」もおすすめです。著作権の切れた昔の名作が、無料で読めますよ。
その中から、物語をひとつご紹介。“日本のアンデルセン”と呼ばれた小川未明さんの『白い門のある家』はいかがでしょうか。喫茶店で読むのにぴったりな、ちょっと不思議で余韻の残るお話です。
毎日暑い日が続きますが、涼しい店内で、物語と一緒にひととき過ごしていただけたら幸いです。


コメントを残す